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「blank パンとコーヒーとワイン」店長。小さいころからテレビが好きで、手先も器用だった。両方が活かせる仕事として、テレビの小道具を目指す。短大卒業後、京都の会社に4年間勤務し、テレビの小道具などを担当。地元・兵庫県多可町に帰省した際、友人から「地元にお店つくってよ」と言葉をかけられる。一念発起、飲食の世界へ。レストランでのアルバイトを経てくじけていたときに、「路地裏スタンド アベック」(現アフターアベック)に出会う。アベックでアルバイトとして働いた後、blankの店長を任される。休日の趣味は読書。
元々テレビの小道具の仕事をしていたそうですが、飲食業界にはどういうきっかけで入ったんですか。
「テレビ局で小道具として働く」というのが、私の一個の目標でした。その目標を達成したときに、次にどうしていきたいかが自分の中ではっきりしなくて、悩んでいた時期で。
私は地元とかふるさとが好きなんです。ちょうど帰省したときに友達と、「ご飯に行くときに、ちょうどいいお店がないよね」っていう話になって。昔ながらのお店は遅い時間までやってませんし、車を走らせてファミレスに行くような感じになってしまうので。おしゃれにワインでも飲めるようなお店が、あったらいいなって思って。
その時友達から「地元にお店つくってよ」って言われた言葉が、自分の中で残りました。本当につくれるかはわからないけど、頑張ってやってみようかなって思って、飲食をやろうと思いました。
ファイブスクエアとの出会いを教えてください。
まずは飲食店で働いてみなければと思って、最初は神戸で未経験でも大丈夫なお店を探して、レストランでアルバイトを始めました。ところが思いのほか大変で、半年くらいでくじけてしまって。そこを辞めた後、「私に飲食が務まるのかな」ってちょっと迷子になりかけてました。その時に出会ったのが、「路地裏スタンド アベック」でした。
そのころからモーニングをお店に食べに行くのが好きで、ネットで調べたときに出てきたのがアベックでした。アベックのインスタの投稿に「楽しんでいきましょう」みたいなハッシュタグがつけられてて。飲食で「楽しもう」と思って働いてる人がいるんだっていうのが気になって、すごいなと思って行ってみました。
私がお店に行ったとき、ちょうどほかのお客様も横にいらっしゃって、サプライズのお祝いをしてました。お客様とこんなに距離の近いお店もあるんやなって思って。その前に私が働いていたレストランとは真逆の雰囲気というか。すごくお客様と近い楽しそうなお店で、憧れました。
それがきっかけでアベックでアルバイトを始めて、朝ごはんの仕込みを手伝わせてもらいました。
そこからblankを任せられるまでは、どういう流れだったんですか。
アベックに入って、朝ごはんを手伝わせてもらってちょうど1年が経ったころでした。社長の神尾さんに「次はカフェをやってみいひん?」って声をかけてもらって。しかも次は店長として、というポジション。誰かの下で働くことしか考えてなかったので、店長みたいなポジションが私に務まるのかなとか思いました。でも、その話をもらった時点で7割ぐらい「やりたい」と思いました。単純なので(笑)。
バカンスのパンを使ったカフェというのは、元々アイデアがあったみたいです。ちょうどそのタイミングで私も次のキャリアを考えていたので、タイミングがぴったり合った感じでした。「田舎にこのまま帰っちゃうより、神戸でもうちょっといろんなことを経験してみるのもいいんじゃない?」って言われて、確かにそうだなと思って。
当時、もしかしたら仕事から逃げようとしてたのかもしれません。今振り返ると、あのとき下した決断は本当に良かったなと思います。
2025年6月でblankは開店から2年を迎えましたが、店長になって、それまでとの変化はありましたか。
店長の下で働くことと、自分自身が店長として働くのは、ぶち当たるものの種類がまったく違うなと感じます。その意味で大変さもあるんですけど、めっちゃ楽しいです。前職では言い切れてなかった「楽しい」っていうのを、どんどん自分自身で自発的に言えるようになりました。
誰かにやらされるんじゃなくて、自分で考えてやるっていうスタイルが、ファイブスクエアにはあります。だからこそ自分が実行できていないことが多いと、落ち込みます。のびのびやればいいのに、やれない自分がもどかしかったこともあります。でもそういう大変なことも全部ひっくるめて楽しいなって思えるようになったのは、よかったかなと思います。
ファイブスクエアに入って、自分は変わったと思いますか。
あとは自分がちょっと素直になった気がします。昔から頑固って言われてて、ちょっとひねくれたところや反発心もあったんです。でもファイブスクエアでは素直な人が周りに多いので、私も素直になりました。周りの店長たちとも、スタッフとも、磨き合えているような感覚があります。それぞれの個性で楽しませようとする、サーカス団みたいな会社です。
自分にはどんな個性があると思うか、教えてください。
自分に合う言葉が、優しさと笑顔。このにっこりできる顔に生まれてきたんだから、周りの人に笑顔の連鎖を生めるといいなと思います。blankに来てくださるお客様に、笑顔になって帰ってもらうためにどうするか。笑顔を連鎖させていって、一人でもにっこり笑える人を増やせたらいいなっていう、使命感のようなものはあります。それは大事にしたいです。
ファイブスクエアは自身にとってはどんな場所ですか。
自分が成長できる場所。この場所で、成長しつづけていきたいと思います。
振り返ると、今まであまり自分のことが好きじゃなかったんです。自信もなかった。この会社に入って、好きになれるようになりました。みんなそれぞれ強みと弱みがあるんだから、強みを生かしていけばいいって考えられるようになって、すごく救われて。「私にも絶対何か強みがあるんや」と思えたから、どんどん頑張っていきたいって思って、それが成長につながってると思います。